豊田通商のサステナビリティ

サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)

豊田通商グループは経営戦略に基づき注力する社会課題を明確にするため、「企業理念」「Global Vision」の実現を目指す上で意識すべき重要課題(マテリアリティ)を特定しました。特定にあたっては経営層をはじめ、社内外さまざまなステークホルダーの皆さまの意見を取り込み、議論を重ねました。

豊田通商グループのマテリアリティは、現状SDGsのうちの11のゴールに関連しています。社員一人一人がマテリアリティを意識して事業活動に取り組むことで会社が持続的に成長し、社会課題解決やSDGsへの貢献を実現していきます。また、目標を明確にするため、2020年からマテリアリティごとにKPIを設定しています。

豊田通商グループでは、当社の事業活動がどのようにSDGsの達成に貢献するかを具体的な指標で示すために、2020年からマテリアリティ重要評価指標(KPI:Key Performance Indicator)を設定しています。社会課題の解決に向けて、PDCAサイクルを回し、常にKPI 達成度を意識した事業活動を行っています。

KPI 設定にあたっては各営業本部の方針に、マテリアリティやSDGsを基にビジネスを通じた社会課題解決のアプローチを反映させるべく、各本部CEOを含む営業本部との議論を重ねました。さらに、サステナビリティ推進委員会において経営層、社外取締役と議論を行い、意見を反映させました。豊田通商グループの目指すべき方向性を表すものとして、各マテリアリティについて象徴的なテーマを数値化して定量目標を策定、また近い将来の定量目標への切り替えを想定したものを定性目標とし、課題解決につなげるための取り組みを明らかにしました。

また、当社のマテリアリティは不変のものではなく、変化する国際社会の動向やニーズ、当社グループの環境変化などを踏まえてサステナビリティ推進委員会で定期的にレビューを行い、適宜見直しを実施しています。2021年度のサステナビリティ推進委員会では2021年7月に公表したGHG排出削減目標をマテリアリティKPIとして進捗管理していくことが承認されました。

社員一人一人が社会課題の解決を意識しながら業務に取り組むための施策として、社員の評価指標の一つに「持続可能な社会の発展への貢献、マテリアリティを意識した取り組み」を導入しています。サステナビリティ講演会は継続的に実施しており、2021年度は、先進企業の取り組みを学ぶため、当該企業からサステナビリティ部門の方をお招きし、経営層および社員向けに講演会を開催し、600名以上が参加しました。新入社員やキャリア入社社員向けにもサステナビリティやマテリアリティの研修を実施しています。

豊田通商グループのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)

策定プロセス

①課題の抽出

  • 国際的な社会課題を網羅していると考えられるSDGsの17のゴール、169のターゲットを軸として、CSRやESGに関するガイドライン(GRIスタンダード、ISO26000、国連グローバル・コンパクト、FTSE、MSCIなど)、トヨタ環境チャレンジ2050などの各ガイドラインから当社に影響のある社会課題を抽出し、整理。
  • 整理した社会課題が当社企業理念、行動指針、Global Vision、中期経営計画に合致しているか照合し、43個の課題を抽出。※

②優先順位付け

抽出した43個の社会課題に対し社内外のステークホルダーとの対話やアンケートを通じて、当社グループへの期待・要望、当社グループにとっての重要性の優先順位付けを行い、マテリアリティマトリックスを作成。

マテリアリティマトリックス

ステークホルダー

社内
営業本部ヒアリング、豊田通商全社員・国内関連会社CSR担当者・海外現地スタッフ向けアンケート
社外
国内機関投資家ヒアリング、一般個人投資家アンケートなど

絞り込み

マテリアリティマトリックスで社内外から重要性が高いとされた社会課題を中心にマテリアリティ案を作成。

なお、マテリアリティに言及されていないものは会社として取り組まないという位置付けではなく、当社が特定するマテリアリティは「最重要」として優先して取り組むべき課題と整理。

③妥当性の確認

特定プロセスおよびマテリアリティ案について、妥当性を確認。

議論の参加メンバー

  • 経営層、各営業本部長(現営業本部CEO)で議論。
  • 社外取締役へ個別ヒアリング。

参加メンバーから出た主な意見

  • きちんとプロセスを経ながらマテリアリティを作成している点を評価する。
  • 国家や政府だけで何でもできる時代ではなくなっている。社会が変わっていく必要があり、当社もシステムや制度を変えていくことを意識する必要がある。NGO、NPOなどの知恵も参考にしていくことが必要。
  • マテリアリティの観点から見ると、矛盾していく事業、スローダウンすべき事業、将来的にやめる事業、の議論を始める必要がある。マテリアリティから将来図のガイドラインのイメージにつなげていけるようにしたい。
  • 顧客の困りごとの解決に重点を置くという今までの当社のビジネス創造から視野を広げ、世界的に問題となっている社会課題からビジネスを創造するという発想への転換ができるよう、社員の意識を変えていく必要がある。その成功体験のクイックヒットの積み重ねがプラススパイラルになるだろう。
  • 表現を丸くするとぼやけてしまい、結局何もしないのではないかという印象になってしまうため、尖った表現でイノベーティブなものを採用するべき。
  • 従業員にとっては、個別のテーマに絞りすぎてしまうと次の展開が難しいが、大括り過ぎると何をやっていいのか分かりにくい。実際に行動する従業員が行動に移しやすいまとめ方が必要だと思う。

④マテリアリティの特定

2018年3月末に開催されたCSR推進委員会(現:サステナビリティ推進委員会)にて議論の上、承認。取締役会で取締役・監査役への説明および報告を実施。

⑤KPIの設定

特定したマテリアリティに対して進捗度を確認するため、課題解決につなげるための取り組みを2020年にKPIとして設定。

  • 各マテリアリティのKPIは「サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)への取り組み」をご覧ください。

⑥取り組み

各営業本部の方針にマテリアリティを軸に事業を通じた社会課題解決のアプローチを反映し、事業活動へ組み込む。

気候変動への取り組みを加速するべく、2021年4月に専門組織カーボンニュートラル推進タスクフォースを立ち上げ。2022年4月にはカーボンニュートラル推進部を組成。

⑦進捗レビューおよび内容の見直し

サステナビリティ推進委員会で、営業本部CEOから各本部における進捗状況を報告。

変化する国際社会の動向やニーズ、当社グループの環境変化、PDCAを回す中で出た課題などを踏まえて、定期的にレビューを行いマテリアリティやKPIを適宜見直す。

KPI一覧